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2019年9月(長月)の新作上生菓子が決まりました。

9月(長月)の上生菓子

 

①初秋(しょしゅう)

若草色と、黄色・朱色合わせのきんとんソボロです。
小倉餡を包み、楓の葉と氷餅をのせて、澄みはじめた空気と色づきはじめた野山を表しました。

★和菓子職人:石井光一
▼コメント
「暑さ寒さも彼岸まで」と昔の人は良く言ったものですね。
9月になっても、まだまだ暑い日が続きますが、しかし朝晩は段々と涼しくなり、秋になっていく様を肌で感じるようになります。
野山も青々とした緑から黄色。
黄色から紅色に変化していきます。
色つき始めた野山をきんとんソボロを使い表現しました。

 

 

 

②名月(めいげつ)


柚子餡包みの白雪平餅を、白と紫のぼかしの練切餡で巻きました。
月を表し、ススキの焼印を押してウサギをのせ『仲秋の名月』を表しました。

 

★和菓子職人:石井光一
▼コメント
十五夜は、本来満月のことなので、年に12回~13回めぐってきます。
特に旧暦の8月は、一年の中で最も空気が澄みわたり、月が明るく美しく見えるの時期となり、観月の宴が開催されたり、収穫祭として親しまれるようになったそうです。
綺麗な満月を雪平餅を使い、練切餡を巻いて、ススキの焼印を押し、ウサギをのせ『仲秋の名月』を表現しました。

 

 

 

③秋桜(こすもす)

薄紅色と白練切餡のボカシで、シベをつけて『秋桜の花』を表しました。
中餡は、黄味餡です。

★和菓子職人:石井光一
▼コメント
こすもすは、秋の代表的な花ですが原産地はメキシコで外来種ですが、日本の秋の風景に自然に溶け込んでいて、とても美しく綺麗の咲く姿は、秋を感じさせますね。
当初は『あきざくら』と呼ばれていたらしく『秋桜』は和名だそうです。
秋の風景に欠かせない『秋桜の花』を練切餡を使い表現しました。

 

 

 

④重陽花(ちょうようか)


黄色と白練切餡のボカシで、葉とシベをつけて、重陽の節句の花『菊の花』を表しました。
中餡は小豆皮むき餡です。

★和菓子職人:石井光一
▼コメント
重陽の節句は、9月9日。五節句のひとつですね。
旧暦では、菊の花が咲き始める季節であることから『菊の節句』とも呼ばれています。
陰陽思想では、奇数は『陽』の数であり、陽数の極である『9』が重なる日であることから『重陽』と呼ばれています。
重陽の節句の花。
『菊の花』を練切餡で仕上げました。

 

 

 

⑤夕焼け小焼け(ゆうやけこやけ)


小豆皮むき餡包みの薯蕷(じょうよ)饅頭です。
朱色を塗り、トンボの焼印を押して『秋の夕焼けの空』を表しました。

 

★和菓子職人:石井光一
▼コメント
秋の空は、空気が澄み夕焼けが美しいですね。
また、日の長かった夏から徐々に日没が早くなっていくので『夕焼け』を特に意識しやすいですね。
壮大な夕焼けの景色を表現したく、薯蕷(じょうよ)饅頭を使い、トンボの焼印を押して仕上げました。

 

 

和菓子職人が丹精込めておつくりいたしました上生菓子でございます。

お茶の席等に是非、お使い下さいませ。

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