8月(葉月)の新作上生菓子が決まりました。
8月(葉月)の上生菓子。
①ひまわり
小豆色練切餡に小倉餡を包み、黄色きんとんソボロをまわりにつけて『ひまわりの花』を表しました。
★和菓子職人:石井光一
▼コメント
『ひまわり』という名前は、花が太陽の動きにつれてまわることから『ひまわり』と言われています。
しかし、実際には花首の柔らかいつぼみの時だけ昼間に太陽の方向を向いて、夜に向きを戻し成長して花が咲いてからは東を向くというのが本当のようです。
夏空に太陽に向かってたくましく咲く花『ひまわり』をきんとんソボロを使い表現しました。
②麦わら帽子(むぎわらぼうし)
柚子餡包みの白雪平餅に、麦わら帽子に型取った練切餡をのせて、夏の風物詩『麦わら帽子』を表しました。
★和菓子職人:石井光一
▼コメント
麦わら帽子の国内2大生産地は、埼玉県と岡山県があげられます。
現在も麦わら帽子を手掛ける専業メーカーがあるそうです。
特に埼玉県の春日部市は麦わら帽子を伝統手芸品のひとつとしています。
近くに麦わら帽子の工芸品があることを知らなかったのですが、とても嬉しい気持ちになりました。
夏空の灼熱の陽射しを避ける麦わら帽子を雪平餅を使い、可愛らしく表現しました。
③酔芙蓉(すいふよう)
薄紅色と白練切餡のぼかしで、シベをつけて『酔芙蓉の花』を表しました。
中餡は、小豆皮むき餡です。
★和菓子職人:石井光一
▼コメント
中国では、酔芙蓉を蓮の花のことを示すそうですが、日本では『酔』という文字を使い、中国では『水』という文字を使い『水芙蓉』と書くそうです。
酔芙蓉は、朝は『白』。
午後には『薄紅色』。
夕方から夜になると『紅色』になり、人がお酒を飲むと顔色が赤みを帯びてくる事から、この名前になったそうです。
酔芙蓉の花を煉切餡を使い表現しました。
④遊水(ゆうすい)
水色と白煉切のぼかしで『金魚鉢』を表し、水草と金魚をのせて錦玉と金魚を流し、元気に泳ぐ姿を表しました。
中餡は、黄味餡です。
★和菓子職人:石井光一
▼コメント
夏は、お祭りが数多く開催されますね。
夏祭りは、とても心が弾みます。
夏祭りの思い出の上位にあげられるのは、金魚すくいではないでしょうか。
金魚をすくって、家に持ち帰って育てた思い出が蘇ってきます。
夏祭りの懐かしい思い出。
夏の風物詩。
金魚が金魚鉢の中で楽しそうに泳いでいる風景を煉切餡を使い表現しました。
⑤夜空の華(よぞらのはな)
小豆皮むき餡包みの薯蕷(じょうよ)饅頭です。
五色の色を付けて、焼印を押し、夜空に咲く大輪の花の『花火』を表しました。
★和菓子職人:石井光一
▼コメント
花火は、江戸時代からある季題ですが、その頃から初秋と夏の両方があり、初秋が有力だったのは盂蘭盆(うらぼん)の時に花火があげられ、長崎では今も行われているそうです。
夏は納涼としての花火もあり、今日では夏の花火が主流となっています。
夜空に咲く、大輪の花。
花火を薯蕷(じょうよ)饅頭を使い、五色の色と焼印をつけて表現しました。
和菓子職人が丹精込めておつくりいたしました上生菓子でございます。
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