7月(文月)の新作上生菓子が決まりました。
7月(文月)の上生菓子
①夏景色(なつげしき)
柚子餡包みの水色・黄色・若草色の三色のきんとんソボロです。
錦玉を散らして「涼」を表し、涼しげな夏の風景の色合いにしました。
★和菓子職人:石井光一
▼コメント
夏全体の風景を表したいと思い自分なりの夏の「天と地」を表現しました。
まず水色と黄色のソボロで「天」を表しました。
黄色は、燃えるような炎天かつ眩いばかりの太陽の光。
水色は、大らかで躍動的な夏の大空。
緑色は、強い陽射しに青々した輝きを放つ夏草。
錦玉で、涼しげな清水を表しました。
そして、きんとんソボロを使い、夏景色の色合いに仕上げました。
②海の日(うみのひ)
白餡包みの白雪平餅に、水色と白ボカシの練切餡を巻き、カニの焼印とカニをのせ『海辺の風景』を表しました。
★和菓子職人:石井光一
▼コメント
梅雨も明けて、夏!真っ盛りの季節となりました。
夏休みなどもあり、楽しい気分になりますね。
7月1日頃に安全祈願をして各地では『海開き』が行われます。
7月20日は国民の祝日として「海の日」となりました。
夏!真っ盛り!
海!真っ盛りの海辺の風景を表したくて、雪平餅に練切餡を巻いて『波』を表し、カニを焼印で押し、赤く可愛らしいカニをのせ『海の日』を表現しました。
③撫子(なでしこ)
薄紅色と白練切餡のボカシで『撫子の花』を表しました。
中餡は、黄味餡です。
★和菓子職人:石井光一
▼コメント
撫子の花は可愛らしく咲く花で『撫でし子』と語意が通じることから、しばしば子供や女性に例えられています。
代表的な例が、女子サッカーのなでしこジャパンが有名ではないでしょうか。
可愛らしく純情可憐に咲く『なでしこ』を練切餡を使い表現しました。
④白桃(はくとう)
薄黄色練切餡に、薄紅色を吹き付け、味甚粉をまぶし、葉をつけて夏の果実『白桃』を表しました。
中餡は小豆皮むき餡です。
★和菓子職人:石井光一
▼コメント
桃の実は、古くは粒が小さく毛が密生していました。
今は品種改良がなされて数多くの品種があり、品種の系統で分けると、白鳳系・白桃系・黄金桃系の三つに分かれています。
多くの桃は、7月から8月頃に市場に出回り、甘味や水分ともに申し分のない美味しさですね。
瑞々しく美味しい夏の果実、桃。
桃を練切餡を使い表現しました。
⑤願い笹(ねがいささ)
小倉餡包みの大納言かの子豆です。
練切製の笹を巻き、新挽粉の天の川を表し、星をのせて『七夕の風景』を表しました。
★和菓子職人:石井光一
▼コメント
七夕は五節句のひとつに数えられています。
毎年、7月7日の夜に、天の川を隔てて逢うことの出来なくなった織姫と彦星が年に一度だけ会うことの出来るというロマンチックな星物語が有名ですね。
そんな七夕にちなんだ作品を作りたいと思い、大納言かの子を使い、新挽粉で「天の川」を表し「星と笹」を付けて表現しました。
星に願いを、皆様の願いが叶います様に。
和菓子職人が丹精込めておつくりいたしました上生菓子でございます。
お茶の席等に是非、お使い下さいませ。
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