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4月(卯月)の上生菓子
①惜春(せきしゅん)
薄紅色と、黒すり胡麻入り練切のきんとんソボロで、桜庭入り餡を包みました。庭石に散った桜と葉桜を表しました。
◆コメント
長かった寒い冬の季節も終わり、ようやく暖かな安定した春の季節がやって来ました。しかし、染井吉野の桜が散ってしまうと、なんとなく寂しい気持ちになってしまいますね。
きんとんソボロを使用して、庭石に染井吉野が散って芽出した葉桜を乗せて、春惜しむを表してみました。
②野遊び(のあそび)
小倉餡包みの蓬入り雪平餅です。
白手亡豆と紫のしべ、蝶を乗せておだやかな春の野を表しました。
◆コメント
春になると、色々な花々が咲き、つくしや蓬といった植物が芽出しはじめ、動物達も動き出し、野原は賑やかになりますね。そんな風景を表したくて、蓬入りの雪平餅を使用して、野原で遊んでいる蝶々と、すみれの花を乗せて春のを表してみました。
③桜花(おうか)
薄紅色煉切で花びらを型取り、焼印としべをつけて桜の花を表しました。
中餡は、小豆皮むき餡です。
◆コメント
数ある花の中で、こんなにも開花するのか待ち遠しく思える花はなく、それだけ大勢の人達に好かれている証拠で、桜は日本の代表花ですね。
練切餡を使用して、桜の花びらを型取り、焼印を二箇所押して満開の桜の花を表しまてみました。
④山吹の里(やまぶきのさと)
山吹色煉切餡に、若草色煉切餡を三箇所付けて茶巾絞りにし、粉末オブラートを乗せて、『山吹の里』を表しました。
中餡は、小豆皮むき餡です。
◆コメント
初夏から春にかけて、鮮やかなこがね色の花を咲かせる山吹の花。
太田道灌の話にもなったり、川越市の花でもあります。越生町にある山吹の里には、4月下旬頃になると、こがね色の山吹の花が咲き、とてもきれいです。ぜひ足を運んでみてください。
そんな山吹の花を練切餡を使用して、茶巾絞りで表してみました。
⑤春風(はるかぜ)
白中割餡包みのとら豆かの子です。
練切の紐と桜の花を乗せて、暖かくおだやかな『春の風』を表しました。
◆コメント
季節の変わり目には、時として嵐のような強風が吹き荒れますが、これれとは区別しておき、暖かでおだやかなやさしい風が吹きぬけている風景を表してみたく、とら豆かの子を使用して練切のひもで風を表して、桜の花をやさしく通り抜ける春風を表してみました。
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