5月(皐月)の上生菓子
5月(皐月)の上生菓子
①五月晴れ(さつきばれ)
小倉餡包みの水色キントンソボロです。
氷餅を塗しツバメを乗せて、爽やかな五月晴れの風景を表しました。
◆和菓子職人のコメント
初夏の季節となる五月は、一年を通じて過ごしやすく、爽やかな風が吹く抜けて
空気がとってもかぐわしく感じられます。
五月の気持ちよく晴れた青空に、渡来したばかりのツバメが気持ちよく飛んでいる
風景をキントンソボロを使い、表現しました。
②新緑(しんりょく)
柚子餡包みの雪平餅です。
楓の焼き印と煉切の帯、うぐいす豆を付けて若葉と新緑の山並みを表しました。
◆和菓子職人のコメント
桜色も終わり、葉桜となるように色々な樹木に若葉が萌え出します。
その青々とした風景が、明るさ・やわらかさ・みずみずしさとなり
爽やかな気持ちにさせてくれます。
新緑の風景を雪平餅を使い、楓の焼き印に緑の帯とウグイス豆を配置
して『緑』の山並みを表してみました。
③野ばら(のばら)
薄紅色と白練切のボカシで『バラ』を模りました。
中餡は小豆皮むき餡です。
◆和菓子職人のコメント
ばらの花は品種改良されて、一年中見られる花となりましたが本来の最盛期は、
初夏となります。
煉切餡を使い、サジ切りをして葉を配置しました。
5月11日の母の日には、カーネーションなどと一緒に、是非!お使いになって
いただけたらと、想いを込めて『バラの花』をお作りしました。
④花菖蒲(はなしょうぶ)
紫色と白煉切ぼボカシで、菖蒲の押型と葉を乗せて『菖蒲』を表しました。
中餡は黄味餡です。
◆和菓子職人のコメント
葉が菖蒲の葉に似ていて、美しい花をつけるところから名付けられた
花菖蒲は、菖蒲湯に使われる菖蒲とは別ですが、鮮やかな紫色で
気分をリラックスさせてくれます。
花菖蒲を煉切餡を使い、型押と葉を配置して表現しました。
⑤淡紅牡丹(あわべにぼたん)
白餡包みのとら豆かの子です。
薄紅色を巻いて、庭石に落ちた『牡丹』の花びらを表しました。
◆和菓子職人のコメント
牡丹は、初夏を代表する花です。
香り高い大型の美しい花が開き、中国では『神の花』とも呼ばれるそうです。
埼玉県では、東松山市のぼたん園が有名で、驚きを憶える位の立派な花々が
見られます。
牡丹の花をとら豆かの子を使い、庭石に見立てて庭石に落ちた風情ある
牡丹の花びらを表現してみました。
和菓子職人が丹精込めた上生菓子でございます。
お茶の席等に、是非、お使い下さいませ。
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